退院に向けた面談が重なると、記録が後回しになり、休む日まで決めにくくなることがあります。
医療ソーシャルワーカーの残業を減らすには、作業の効率化だけでなく、休みの日にも支援が進む仕組みを考える必要があります。
私もMSWとして10年働く中で、完全担当制のために休むと調整が止まってしまうのではないかと悩みました。
会議中の記録などで時間を短縮する工夫はしましたが、患者や家族との面談は工夫だけで短くできない場面もありました。
この記事では実際の経験から、残業が増える場面、引き継ぎの内容、上司に相談したい体制の問題を整理します。
医療ソーシャルワーカーの残業時間が増えた場面

私の場合は、患者の退院時期が重なったときや急な希望への対応で、予定していた業務が押してしまいました。
何が時間を使っているのかを分けると、記録の工夫で対応できる部分と、チームで調整すべき部分が見えてきます。
退院時期が重なり面談や会議が続いた
担当患者の退院時期が重なると、家族面談やサービスの調整面談、担当者会議が立て続けになりました。
一つの面談が終わっても、次の予定があるため記録や連絡をまとめる時間を確保しにくい状態でした。
このような日は、単に面談件数を見るだけでは業務の重なりが伝わりません。
退院予定日と必要な会議、まだ決まっていない調整事項を並べておくと、上司に支援を頼みたい箇所を説明しやすくなります。
急な退院希望で調整を一から始めた
患者本人や家族から急に退院希望日が示され、ケアマネジャーの選定やサービス調整を一から進めたこともありました。
希望に沿いたい気持ちはあっても、外部の事業所や関係者の予定までMSW一人で決めることはできません。
希望日を聞く際は、その日までに何が必要で、何がまだ決まっていないのかを共有することが必要です。
退院日を実現できると即答せず、院内外の関係者と準備状況を確認しながら進めることを勧めます。
MSWが休みを取れない背景には完全担当制があった

私が有給休暇を取りにくく感じたのは、休むと担当ケースの会議や面談調整が遅れると考えたためでした。
休みを取る本人の工夫だけでなく、代わりに連絡を受ける人が必要な情報を把握できることが欠かせません。
担当者の不在で調整が止まる不安
施設への申込後の事前面談や担当者会議の調整が遅れると、患者と家族が希望する日までに準備が整わないのではないかと心配していました。
そのため、自分が出勤して進めたほうがよいと考えやすくなっていました。
ただ、担当者が休めないことで成り立つ運用は、長く続けにくいものです。
不在時に誰が連絡を受け、どこまで対応できるのかを部署として決める必要があります。
引き継ぎでは次の対応が分かる情報を渡す
私は退院調整中で家族やケアマネジャーから連絡が入りそうなケースや、対応に注意が必要な患者や家族の情報を共有していました。
クレームがあった場合の対応方法も、休む前に伝えるようにしていました。
引き継ぎを作るなら、経過の長い説明だけでなく、次の行動に必要な情報を中心に整理すると使いやすくなります。
- 現在の退院方針と本人や家族の希望
- 連絡が入りそうな相手と用件
- 決まっている事項と未決定の事項
- 返答の期限と確認先
- 代わりの担当者が判断できる範囲
- 困ったときに相談する上司
患者や家族への印象だけを書くのではなく、これまでのやり取りや合意した内容を具体的に残すことを勧めます。
医療ソーシャルワーカーの記録時間を短縮した工夫

私の職場ではノートパソコンを持ち歩いていたため、会議の内容をその場で記録するようにしました。
後からすべてを思い出して入力する負担を減らす工夫ですが、ツールの使用と面談への集中の両方に配慮が必要です。
会議中に要点を記録する
会議中に決まったことや次に行うことを記録しておくと、終了後に文章を整えるときの手がかりになります。
発言をすべて書き取ろうとするより、本人の意向や合意内容、誰が何をするかを押さえる方法を勧めます。
ただし、画面ばかり見て患者や家族の反応を見落とさないよう、入力するタイミングは場面に応じて調整してください。
録音や文字起こしは院内のルールを確認する
私も録音と文字起こし機能を適宜用い、記録時間を短縮する工夫をしました。
ただし、同じ方法を取り入れる場合は、録音の説明や同意の扱い、使用できる機器とサービス、保存先と削除方法を先に確認してください。
個人判断で患者情報を外部のAIサービスなどへ入力せず、所属先の許可と情報管理の手順に従う必要があります。
厚生労働省は医療情報システムの安全管理に関するガイドラインを公表しており、ツールの選定や運用は院内の情報管理担当者にも確認することを勧めます。
出典:厚生労働省
MSWの工夫だけでは短縮できなかった面談

事前に条件を聞いていても、面談を通して希望が変わることがあります。
その変化を単なる無駄と捉えるのではなく、必要な支援を続けながら一度に担う範囲を整理することが課題でした。
施設の希望が広がって業務が増えた経験
施設退院を希望する患者と家族に、あらかじめ施設の機能や料金、立地などの条件を聞いていました。
後日の面談で複数の施設を提案したところ、市内全域から探したいので、すべての施設の特徴をまとめて教えてほしいと希望が広がりました。
事前確認をしていても再度の情報収集が必要になり、面談時間の短縮だけでは解決できませんでした。
この経験から、情報を集める前に、何を優先して比較するかを一緒に整理する必要があると感じています。
次の面談までの範囲を合意する
同じような場面では、候補の範囲を広げたい理由と、譲れない条件を改めて聞く方法があります。
例えば料金と医療対応を先に比べるなど、比較の順序を提案すると情報を整理しやすくなります。
一度にすべての情報をそろえる約束をせず、次回までに確認する項目と追加検討する項目を相談してください。
これは本人や家族の選択を狭めるためではなく、判断に必要な情報を分かる形で届けるための工夫です。
医療ソーシャルワーカーの休暇と残業を上司に相談する

記録を工夫しても仕事が終わらない場合は、担当配分や不在時の対応を部署で見直す段階です。
困っているという説明に、業務の重なりと求める対応を添えると、上司が判断すべき内容を共有しやすくなります。
残業した時間と原因を一緒に整理する
記録には退勤時刻だけでなく、面談の集中や急な調整など、時間が延びた場面も残してみてください。
患者の個人情報は院内のルールに従って扱い、個人の端末に持ち出さないようにします。
そのうえで、会議の分担、不在時の窓口、記録の時間確保など、どこを変えてほしいかを具体的に相談しましょう。
有給休暇を自分だけで諦めない
年次有給休暇は、原則として労働者が指定した時季に取得する制度です。
ただし、事業の正常な運営を妨げる場合には、使用者がほかの時季に変更できることがあります。
個別の扱いは事情によるため、休めないと言われたときは理由と代わりの取得時期を確認し、解決しない場合は労働相談窓口に相談してください。
出典:厚生労働省
働きやすさは相談できる場と代替体制で見る
私が職場の働きやすさを確認するなら、平均残業時間に加えて、支援に行き詰まったときにMSW会議などで相談できるかを聞きます。
先輩MSWや病院全体が、働きやすくするために何をしているかも確認したい点です。
病院全体の平均だけでなく、MSWの部署で休暇中のケースを誰が引き受けるのかまで分かると、実際の運用をイメージしやすくなります。
医療ソーシャルワーカーの休みと残業に関するよくある質問
休暇や残業の悩みには、部署内での調整とは別に相談が必要な場合もあります。
ここでは数字の見方と相談先について補足します。
MSWの平均残業時間は何時間ですか?
この記事ではMSW全体を代表する平均値は示していません。
調査対象や集計方法が分からない数字より、自分の部署の残業実績と、申告に含まれていない仕事がないかを確認することを勧めます。
残業代や休暇の問題を職場だけで解決できないときは?
賃金や労働条件などの問題は、厚生労働省の総合労働相談コーナーでも相談できます。
給与明細や勤務記録、職場から受けた説明などを整理しておくと、状況を伝えやすくなります。
出典:厚生労働省
まとめ MSWが休めるように記録と引き継ぎの体制を見直す
医療ソーシャルワーカーの残業には、記録方法で減らせる部分と、担当制や業務配分の見直しが必要な部分があります。
私自身、会議中の記録を工夫する一方で、退院調整の集中や希望の変化は個人の効率化だけでは解決できないと感じました。
まずは次に休む日に連絡が入りそうなケースを一つ選び、誰が何を確認すれば対応できるのかを整理してみてください。
それでも調整が進まない場合は、自分が出勤して補う前提にせず、上司と代替体制を相談することを勧めます。
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