担当するケースや後輩指導が増えているのに、基本給はほとんど変わらない。
そんな状態が続くと、この先も同じ働き方を続けられるのか不安になると思います。
医療ソーシャルワーカーとして10年働いてきた私も、勤続3年を過ぎても基本給が数千円しか増えていないことに不満を感じました。
直属の上司に相談した結果、賞与支給時だけに付く職能手当は増えましたが、毎月の基本給の引き上げとは別の話でした。
この記事ではその経験をもとに、昇給しないと感じたときの確認事項、上司に伝える内容、5年後や10年後の給与の考え方をまとめます。
医療ソーシャルワーカーとして昇給に不満を感じた経験

私の場合は、経験を積んでも基本給の伸びが小さいことが不満の出発点でした。
ただ、実際に相談してみると動いたのは別の給与項目だったため、何を増やしたいのかを区別する必要がありました。
年1回の基本給の増額は約1000円だった
当時の私の基本給は、1年で約1000円上がる程度で、そのほかの手当の増額はありませんでした。
勤続3年を過ぎても基本給の増額が数千円にとどまり、経験や負担の増加に見合っていないと感じました。
これは私の勤務先での経験で、医療ソーシャルワーカー全体の平均昇給額ではありません。
自分の職場の実態を知るには、過去の給与明細で基本給の変化を確かめるのが出発点になります。
評価の仕組みが十分には分からなかった
昇給条件について詳しい説明はなく、経験年数と年2回の上司の評価で給与が変わるようだと捉えていました。
何をすればどの項目が増えるのかが分からないと、努力の方向も決めにくくなります。
今振り返ると、評価される仕事と給与に反映される条件を、面談で具体的に聞くことが必要だったと思います。
MSWが昇給しないときに確認する給与の内訳

まずは基本給が増えていないのか、手当を含む年収が増えていないのかを分けて整理します。
この区別ができると、面談で相談したい内容と実際の結果が一致しているかを確かめやすくなります。
- 基本給の前年からの増額
- 毎月の固定手当の変化
- 賞与と賞与時だけの手当
- 残業代を除いた年間の支給額
給与明細は同じ項目で比較する
前年と今年の明細を並べ、基本給と手当を別々に確認してください。
残業が多い月に支給額が増えても、それだけでは給与水準が上がったとは判断できません。
手取りだけでなく控除前の支給額を確認し、残業時間の増減も一緒に見ておくと変化の理由を整理できます。
職場の規程で昇給時期と評価の扱いを調べる
就業規則や給与規程では、昇給の時期と対象、評価による違いなど、自分に適用される条件を確認します。
厚生労働省はモデル就業規則で昇給などの規程例を示していますが、その内容が各病院の制度になるわけではありません。
自分の職場の記載で分からない部分は、人事担当者や上司に説明を求めましょう。
出典:厚生労働省
医療ソーシャルワーカーの昇給を上司に相談した結果

私が直属の上司に伝えたのは、難しいケースを担当していることと、新人の育成指導をしていることでした。
相談後は賞与支給時の職能手当が1000円から3000円になりましたが、この変化を毎月の昇給額として説明することはできません。
担当業務と新人指導を相談材料にした
業務の負担が増えているときほど、上司がそのすべてを把握しているとは限りません。
私は自分が引き受けている役割を伝えたうえで、給与について相談しました。
相談の材料を準備するなら、難しい調整で行った対応や新人指導で担ったことを、実際の業務に沿ってまとめる方法があります。
退院件数だけを成果にせず、支援の過程やチームへの貢献も説明したい点です。
職能手当は1回当たり2000円増えた
相談によって、賞与支給時だけに付く職能手当は1000円から3000円へ増えました。
差額は1回当たり2000円ですが、毎月2000円増えたわけでも、基本給が2000円上がったわけでもありません。
私にとっては交渉で一部の待遇が変わった経験ですが、期待している収入改善と同じかどうかは別に考える必要があります。
相談後は増額の有無だけでなく、支給の頻度や適用期間まで確認することを勧めます。
MSWの昇給面談では次の条件まで確認する

面談で大切なのは、今回上がるかどうかだけで話を終わらせないことです。
すぐに増額できない場合も、判断の条件と見直し時期が分かれば、その後の見通しを立てやすくなります。
担当した役割と希望する変更を伝える
例えば、新人指導の役割が増えているので基本給か手当での評価を相談したい、と対象を具体的にすると話が進めやすくなります。
これは相談時の伝え方の例であり、同じ言い方で昇給が認められるという意味ではありません。
上司に判断権限がない場合は、誰が確認するのかも聞いておきましょう。
次の面談までに何を確認するか決める
増額できない理由が評価なのか、給与表なのか、病院全体の方針なのかで、その後の対応は変わります。
理由が曖昧なままなら、確認してもらう事項を整理して次回の面談につなげます。
- 今回の評価が反映される給与項目
- 増額の対象となる役割や条件
- 判断を行う担当者
- 次に給与を見直す時期
給与のために際限なく仕事を増やすのではなく、すでに担っている役割と今後引き受ける業務の範囲をあわせて確認してください。
医療ソーシャルワーカーの5年後と10年後の給与を考える

私は今の職場を続けるか考えるとき、毎年の昇給額と、いつまでにどのくらい収入が必要かを重視します。
将来の収入は確定できませんが、条件を置いて計算すると希望する生活との差を見つけやすくなります。
年1000円の昇給が続く場合を試算する
仮に月額の基本給が毎年1000円ずつ上がり、その条件が続くなら、現在と比べた月額の増加は5年後に5000円、10年後に1万円です。
これは単純な計算例であり、今後の昇給を保証するものではありません。
昇格や給与改定、昇給停止があれば結果は変わり、賞与や手取りの変化もこの計算だけでは分かりません。
年収を試算する場合は、各年の基本給に12を掛け、確認できる手当と賞与を別に加えてください。
必要な収入との差を基準に見直す
昇給を待つ期間は、生活費や将来の希望によって違います。
まずは今の固定収入、生活に必要な金額、5年後に希望する金額を並べてみてください。
不足がある場合は、給与条件の相談だけでなく、支出や担当する役割、働き方も含めて考えます。
今の職場に残るかどうかは、給与だけでなく健康や勤務時間、仕事の納得感も含めて判断することを勧めます。
医療ソーシャルワーカーの昇給に関するよくある質問

昇給の確認では、制度の説明と実際の支給結果の間に疑問が残ることがあります。
ここでは面談前後に確認しておきたい点を補足します。
昇給ありと書いてあれば毎年必ず上がりますか?
その表記だけでは、全員が毎年一定額上がるとは判断できません。
適用条件や実施時期、評価による違いを、自分に適用される規程で確認してください。
給与規程と実際の支給額が違うときはどうしますか?
対象月の給与明細と規程を用意し、まずは人事や給与担当者に計算根拠を確認します。
説明を受けても解決しない賃金などの労働問題は、厚生労働省の総合労働相談コーナーでも相談できます。
出典:厚生労働省
まとめ MSWの昇給は金額と反映先を確かめる
私の経験では、上司への相談によって賞与支給時の手当は増えましたが、基本給の昇給とは区別する必要がありました。
まずは過去の明細で基本給の伸びを確認し、担当業務や新人指導などの役割を面談で伝えてみてください。
そのうえで5年後や10年後の給与を条件付きで試算すると、希望する生活との距離が見えてきます。
次の面談では、何をどの給与項目に反映してほしいのかを一つ具体的に伝えることから始めましょう。

