実習先で何を学べばよいか分からず、帰宅してからも日誌が終わらない。
指導者は忙しそうで、質問したいのに声をかけにくい。
医療ソーシャルワーカーを目指す実習でそんな状態になったら、我慢の仕方より、日誌や質問の負担を減らす方法と学習環境の相談を考えてほしいです。
私は学生時代、知的障害者施設で約1か月の相談員実習を経験しました。
病院での実習体験ではありませんが、相談員の仕事を見学できず、何を学んでいるのか分からないつらさを感じました。
現在はMSWとして働き、学生に指導する立場になったからこそ、当時困ったことと今伝えたいことを具体的に書きます。
MSWになる前の実習で私が辛かったこと

私がつらかったのは、利用者と関わること自体より、相談援助の学習にどうつながるか見えなかったことです。
日々の活動を学習目標と結び付ける説明や、相談員の判断に触れる機会が欲しいと感じていました。
相談員の実習なのに仕事を見学できなかった
実習の最初の2〜3週間は、大きなホールで利用者とコミュニケーションを取り、食事介助やトイレ誘導を行っていました。
相談員の仕事を見学する機会がなく、介護の実習に来たのかと思うほどでした。
言葉でのやり取りが難しい方も多く、私にはどう関わればよいか分かりませんでした。
職員から声をかけてもらえることは少ない一方で、利用者に声をかけ続けるよう注意され、戸惑いが強くなりました。
同じような日誌ばかりで考察に時間がかかった
毎日の活動が利用者とのコミュニケーションを中心としていたため、最初の2週間は日誌も似た内容になっていました。
その日に行ったことは書けても、相談員の視点では何を考えればよいのかが分からず、記録に時間がかかりました。
体験したことが少ないから書けないと考えるより、何に着目するかを指導者に確認する必要があったと今は思います。
医療ソーシャルワーカーの実習日誌は一場面から考える

日誌を毎日違う出来事で埋めようとすると、書く材料を探すだけで疲れてしまいます。
同じ活動でも、その日の一場面を取り出し、事実と自分の解釈、確認したい点を分ける方法があります。
実習中の短いメモが帰宅後の助けになった
私が試したのは、日誌に書けそうな出来事があれば、少し時間ができたときに要点だけメモを取ることでした。
後で日誌を書くときに場面を思い出しやすくなり、記録時間の短縮につながりました。
メモを取る方法や保管場所、実習先からの持ち出しは、大学と実習先のルールを守ってください。
氏名を書かなければ何でも持ち帰ってよいわけではなく、組み合わせによって個人が分かる情報にも注意が必要です。
事実と考察と確認したいことを分ける
以下は私の実際の日誌ではなく、書き方を考えるための架空の例です。
- 事実:こちらの問いかけには返答がなく職員の声かけにはうなずきがあった
- 考察:声のかけ方や関係性によって反応が異なる可能性を考えた
- 確認したいこと:本人が意思を示しやすい関わり方を職員はどう把握しているか
返事がないという事実だけで、理解していない、話したくないと決めつけることはできません。
自分がそう考えた根拠と、まだ分からないことを分けると、指導を受けたい内容が見えてきます。
病院の実習でも、患者の発言や面談での反応について、同じように一場面から振り返る方法があります。
相談援助の視点が分からないときは問いを一つ持つ
その日の活動で、本人の意思はどう確認されていたか、職員は何を根拠に対応を変えたかなど、観察する問いを一つ決めてみてください。
ただし、自分だけで考察を完成させる必要はありません。
今日の関わりを相談援助の視点で振り返りたいのですが、どこに注目するとよいですか、と質問して構いません。
日誌の分量や項目は大学ごとに異なるので、提出要件も確認しておきましょう。
医療ソーシャルワーカーの実習で質問しにくいときの工夫

私は指導者が通常業務をしながら教えてくれていることに申し訳なさを感じ、質問内容と順番をメモにまとめていました。
短く相談する準備は役立ちましたが、忙しそうだから質問しないという状態まで我慢する必要はありません。
質問メモは最初に聞きたいことを決める
聞きたいことをすべて一度に話そうとせず、今日確認したいものを優先します。
例えば、日誌の考察で迷った点と、次に見学したい業務を分けて書くと、指導者も答える内容を把握しやすくなります。
- どの場面についての質問か
- 自分はどこまで理解したか
- 何が分からず困っているか
- 次に何を学びたいか
患者の安全や個人情報の扱い、実習生が行ってよい行為に迷った場合は、質問時間まで待たず、その場で確認してください。
質問する時間そのものを相談する
指導者が忙しくて声をかけにくいなら、今日の振り返りをする時間をいつ取れるか聞いてみてください。
毎回その場で声をかけるより、予定が分かるほうが相談しやすい場合があります。
自分の考えをまとめる工夫と、教えてもらえる時間を確保することは、どちらも必要です。
時間が取れない状態が続くときは、大学の担当教員にも学習環境として相談してください。
MSWの実習で見学できない状態が続くときは学習目標を確認する

利用者を知るための活動には学びがありますが、その目的や相談援助とのつながりが分からないまま続くと不安になります。
何の実習なのか分からないと感じたときは、自分の実習計画と実際の経験を並べて相談しましょう。
見学したい業務と学びたいことを具体的に伝える
面談を見たいという希望に、本人の意向をどう確認しているか知りたい、などの学びたい点を添える方法があります。
その日の予定や患者の意向によって同席できない場合は、事前説明や実施後の振り返りなど別の学習機会があるか聞いてください。
見学できない理由をすべて自分の能力のせいだと考える必要はありません。
実習計画と違う場合は大学の教員にも相談する
どんな活動がどのくらい続き、どの学習目標が確認できていないかを伝えると、状況を共有しやすくなります。
日本ソーシャルワーク教育学校連盟の教育ガイドラインでも、実習計画と評価、養成校と実習先の連携が整理されています。
日々の困りごとを学生一人で解消する前提にせず、教員と指導者の間で調整が必要か相談しましょう。
辛い実習を経験したMSWとして指導で変えたこと

学生時代は、相談員の仕事を見学できず、放置されているように感じたことがつらく残りました。
そのため、私が指導する側になってからは、学生が何を見て何を質問できるかを意識するようになりました。
面談や会議では背景を説明するようにしている
私は学生に面談や会議をできるだけ見てもらい、患者がどのような方で、これまでどう支援が進んできたかを説明するようにしています。
実際の同席は患者の意向や院内の手順を踏まえ、情報の共有も学習に必要な範囲で行う必要があります。
その場にいるだけでは分からないことがあるからこそ、支援の背景と判断の過程を伝えることを大切にしています。
学生には忙しさを気にしすぎず質問してほしい
気になったことや心配なことがないかは、こちらからも聞くようにしています。
私自身が質問を遠慮していたので、学生には指導者の忙しさを一人で引き受けず、学ぶために質問してほしいと思います。
分からないことがあるのは、実習中に確認する課題が見えているということでもあります。
ただし、威圧的な言動や人格を否定する発言まで、学びのために耐えなければならないわけではありません。
明日のMSW実習が辛いときは一人で抱えない

私の場合は、同じ施設で同じ時期に実習していた同級生がいて、悩みを共有できたことが支えになりました。
実習先ごとに大変さは違うので、その場を知る仲間に気持ちを話せるだけでも助けになりました。
仲間への相談と教員への相談を使い分ける
同じ実習をする人には、質問するタイミングや日誌のまとめ方を相談したり、つらい気持ちを聞いてもらったりできます。
患者や利用者を特定できる情報を、私的な会話やSNSに持ち出さないようにしてください。
課題の負担や見学機会、指導の方法を変える必要がある場合は、大学の担当教員へ具体的に相談します。
仲間に話して気持ちを整理することと、学習環境の調整を依頼することは別の役割です。
実習を続けるのが難しいときは調整方法を聞く
眠れない、食事が取れないなど生活に支障がある場合は、教員や学生相談窓口、必要に応じて医療機関にも相談してください。
中断や再実習、単位や卒業時期の扱いは大学の規程や個別事情によるので、自分だけで結論を出さずに確認します。
実習を乗り越えることを、体調を崩すまで出席し続けることと同じにしないでほしいです。
まとめ:医療ソーシャルワーカーの実習は学び方と相談先を整える

私の実習では、活動を相談援助の視点に結び付けられず、日誌にも時間がかかりました。
短いメモと質問事項の整理は助けになりましたが、見学や指導の機会は学生の工夫だけで補えるものではありません。
明日は、日誌で迷った一場面か、見学したい業務を一つメモして、指導者に相談できる時間を聞いてみてください。
その相談も難しいほどつらい場合は、大学の教員や一緒に実習する仲間へ、今困っていることを伝えるところからで大丈夫です。
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